深夜のラーメン屋で考えたこと

渡辺 悠353字 / 約1

深夜1時、店内には私を含めて三人しかいなかった。カウンターに座った中年の男性は、黙々とチャーシューを食べていた。窓際のカップルは、スマホを見ながら時折笑い合っていた。

私はスープを啜りながら、なんとなく三人の物語を想像した。中年男性は残業帰りだろうか。それとも、家に帰りたくない何かがあるのだろうか。カップルは付き合いたての頃だろうか。それとも、長年の関係が落ち着いた形だろうか。

深夜のラーメン屋には、それぞれの事情を持った人が集まる。昼間の顔ではなく、少し素の顔で。

ふと、文章を書くことも似ているな、と思った。白い画面に向かって、一人で言葉を紡ぐ時間。誰かに見せるためでもなく、評価されるためでもなく、ただ自分の中にあるものを取り出す作業。

深夜のラーメン屋と、深夜の執筆。どちらも少し、正直になれる場所だ。

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